2009年7月アーカイブ

会社案内などの広告物全般の制作途上でよくあることですが、
お客様に校正をしていただいて、その結果が私共に返ってきたときのことです。

「この箇所の文字を大きくしてほしい」

というご要望がありました。

どう考えても、
ここで文字を大きくするとバランスが悪くなる、
前後の文字の大きさや、背景との調和が悪くなる、
視覚的な抑揚がなくなることでかえって見づらくなる、
そしてなによりもその箇所の項目的位置関係の整合性が無視される、
(一般的にレギュレーションといわれます)

などから「文字を大きくすること」が、
良くない選択の場合があります。

はたしてお客様は、
本当に文字を大きくしてほしかったのでしょうか?
当方の経験上、意外と必ずしもそうでないことが多かったように思います。

僭越ですが、
基本的に弊社でバランスよく文字情報をレイアウトしているため、
「文字を大きくしたくない」というのが当方の本音です。
ですのでこんな時、弊社はお客様に確認を入れるようにしました。

「文字を大きくされたい、とご要望された理由をもう少しお聞かせいただけませんか?」

その理由は、
「文字が見づらいから」
「対象が年輩者が多いため文字が見づらいと困るから」

要するに「文字が見づらい」のが問題では?
ということに気がつきました。
それで以下の対応を考え、
「サイズを変えずに」、「大きくせずに」、それを実行してみました。

「細めだった文字(フォント)を若干太めにした」
「グレーだった文字を黒に濃くする」
「背景と同化しないよう、文字をコントラストの強い色に変える」
「明朝系の文字(フォント)をゴシック系に変える」
「囲み枠を使い対象箇所の文字群を引き立たせる」

などのことを、「文字を大きくせず」、以上の対応(の内のどれか、或いはいくつか)をし、
校正結果としてお客様に再校正いただきました。

その結果お客様の反応は、
「うん、いいと思います。見やすくなりました。」というご回答。
ケースにもよりますが、
ほとんどこれでバランスを崩さず、
またデザイン性を損ねず、
文字の修正を行えました。

もちろん他の同位置の項目との関連付けもありますので、
作成物の制作レギュレーションやルールを踏まえた対応を選択します。

このようなことは文字の問題だけでなく、
写真の使い方、
情報の配置の仕方、
色遣い、
表やグラフの使い方、
コピーライティング、
ページ構成のあり方、
用紙の選択、
など広告物の全てにわたって同様のことに遭遇しました。

要するに、
お客様の一言の本質は?
お客様は何を望まれているの?

いわゆるお客様の「インサイト」はどこにあるのか?

私ども提供サイドとしてしっかりとその「インサイト」を見極めること。
このことが広告制作物のクオリティやバリューや品質を保つために、
とても大切なことだと思っています。

弊社のアカウントプランナー(広告営業)やデザインスタッフは、
お客様とのコンタクトの際、
このような局面に出会った時、
お客様の「インサイト」に踏込むことを
常日頃より心掛けています。
仕事柄お客様の社長にお会いすることがよくあります。
本日も埼玉のあるお客様の会社にご挨拶方々お邪魔してきました。

聞き流せばどうってことないことですが、
その社長からとても感銘を受けるお話をうかがいました。

以前弊社にて制作したそのお客様の会社案内(パンフレット)のことです。

その会社案内の色調やデザイン性はお客様のご要望もあり、
とてもオーガニックで素朴なタッチを表現しています。
フリーハンドな手書きイラストレーションを全面に配し、
緑、茶色、土色等のアースカラーの色調に、
黄なりのモデラトーンという、印刷の発色を抑え、渋めのイメージを表現できる
用紙(かなりの高級紙です)を選定した制作物です。

お客様にとって、とても満足度の高い逸品になっており、
弊社においても代表的な会社案内の作成実績のひとつとなっています。

そのお客様の業種は不動産・建設業で、
店舗にお越しになったお客様全員に、
成約されたか否かは別として、
その会社案内を手渡しされておられるとのことでした。

社長曰く、

「ご来店いただくお客様の中で、
成約しなかったお客様の方が圧倒的に多く、
今後また何かの機会に成約できる可能性を秘めた、
いわばお客様予備軍にしっかりと自社をアピールするため。」

「そのためにとても最適な会社案内に仕上がっています。
少々贅沢な手渡し物だけど(笑)」

ここでハッと気付かされたことがあります。
なるほどマーケティングでも営業戦略でも
攻めるのはマーケットの大きい領域が定石だということ。

なるほど。

もちろんお客様の商圏が比較的狭いということはありますが、
単にそんな次元レベルではなく、
商売、ビジネスにおける普遍的な行いだと改めて実感させられました。

巷ではよく、
潜在顧客を継続的に育成し顕在化させろ、
断られてから営業は始まる・・・、
等々のことをよく言いますが、
なるほどその通り。

しかしながらこのことがなかなか実行できないことに気付かされます。

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